検察庁法改正を断念に追い込んだその後

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#検察庁法改正案に抗議します にはじまった抗議の声は、多くの著名人などの意見表明を伴いながら瞬く間に広がりました。新型コロナによる自粛のため、自宅で国会中継を見ていた方もかつてなく多かったのだと思います。

しんぶん赤旗はもとより、朝日、東京、毎日新聞各紙も大きく報じ、朝日新聞は11日付で「『どさくさ』審議 反発拡散 2日でツイート470万件」という記事を掲げました。

衆議院本会議では、日本共産党の宮本徹議員が声を上げた著名人の名前も上げながら首相に迫るなど、野党の追及にもかかわらず、強引に審議を進める様子が明るみに出るにつれ、この声は #検察庁法改正に反対します へと発展しながら広がり続けました。

日本弁護士連合会が11日に「改めて検察庁法の一部改正に反対する会長声明」(全文)、検察OB14人が15日、改正案に反対する意見書を法務省に提出(全文)、18日には、元東京地検特捜部長ら検察OB38人が意見書を公表(全文)、など法曹関係者が相次いで意見表明しました。

世論調査にもその反応は表れました。朝日新聞が16日、17日に行った世論調査では改正案に「賛成」は15%にとどまり、「反対」が64%。内閣支持率は33%で、4月調査の41%から下落し、不支持率は47%(4月調査は41%)となりました。NHKや毎日新聞など、他の世論調査でも同様の傾向にあります。

安部政権のやり方に粘り強く抗議をしてきた方々に加え、ツイッターで広がった声は、大きな世論となりました。こうした声に抗しきれなくなった安倍政権は、検察庁法改正案の成立を断念しました。先送りをして沈静化を図ろうとするなど、悪あがきをしていますが、国会での追及をはじめ国民の声はこうした姿勢も厳しく糾弾し、さらに追い詰めています。

国民の声が、今大きく政治を動かし、それを多くの人たちが日々実感しています。

数の力で、次々に悪政をごり押ししてきた安倍政権に無力感やあきらめを感じていた方もたくさんいたと思いますが、この経験は私たちを励ますものとなったことは間違いありません。いまこそ、自らの思いを政治に突きつけるときです。

こんなときに

閣議決定で定年を延長され、法改正でつじつま合わせをされようとしていた当事者の黒川東京高検検事長が、外出自粛が呼びかけられているなか、新聞記者らと賭けマージャンとの記事が「週刊文春」(5月28日号)で報じられ、あっという間に辞任という事態になりました。

本人が事実を認めているにもかかわらず、森法務大臣は「訓告」という最も軽い処分をしたうえ、本人の辞表を受け取りました。退職金も受け取る辞任です。

賭博行為を認めているなら起訴しなければおかしいし、「訓告」などではなく「懲戒」処分が検討されるべきですが、さっさと辞表を受け取り、軽い処分を科して幕引きする様子も国民みんなが知ることになりました。

閣議決定をしてまで定年延長し、任用してきた安倍首相の任命責任も当然問われます。

安部政権のやり口が、日々浮き彫りになっています。

心にとめておきたいのは、安倍政権のような政府の下では、政府を忖度して何でもやるような官僚はいくらでも生み出せるし、必要がなくなったら容赦なく切り捨てるようなことが、いくらでもできるということ。立憲主義を無視する政府がどれだけ危ういものか。

自粛のため自宅で国会の様子を見ている人も、増えているでしょう。

彼らがどんな姿勢で国を動かしているか、しっかりと目に焼き付けておきましょう。どんなに遅くても来年の秋には衆議院の総選挙が行われます。