自粛から新たな社会生活へ 感染症と対峙 その3

川越市の検査体制

 保健所を持つ川越市はいち早くPCR検査機機器を導入して独自に検査する体制を整えました。

 検査時間を短縮する核酸抽出装置も新たに導入、今後の感染の拡大に備え、検体を採取するPCRセンターを医師会と協力して今月開設しました。

 陽性者がでると保健師が聞きとりを行い、接触者を見つけて検査しています。これらの仕事には多くの人手が必要で、保健所が減らされている他市では困難をともないます。

 しかし、現在の体制が万全とも言えません。

 陽性者が発生した場合に受け入れる病院やホテルの確保は県の仕事で、陽性者が多く出た時期にはすぐに入院ができませんでした。

 接触者の検査が中心だったので、発熱など不安の訴えがあっても検査されないケースも見られました。保健所での検査は限りがあるので、民間検査機関への委託も増えています。

 冬場には一日に数千人の発熱者がでますが、全てにPCR検査は不可能でしょう。どのように相談を受け、検査を行うか課題です。

 介護施設や障害者施設では食事や排泄を含む身体介護が多く濃厚接触が前提です。保育なども接触は避けられません。こうした仕事からの訴えは優先して検査が必要でしょう。

水害への備えも並行して

 これからの季節に向け水害対策も必要です。

 避難所も密接を避けるため、以前は使わなかった浸水の可能性がある施設も上層階を使うなどして避難所を増やしたり、西文化会館、運動公園総合体育館など施設管理公社が管理する施設の利用、福祉施設が被災した際の対応などが検討されています。

模索続ける市の姿

 市民身近な現場では模索も続いています。

 公民館では、感染発生時の接触者把握のため、利用者全てに連絡先を求めるケースも見られます。

 休業要請の延長を受け、水道局は基本料金を2ヶ月免除することを決めました。

 商工振興課ではテイクアウトを始める飲食店の支援をしたり、国の給付金から漏れた事業者へ僅かですが給付を始めています。

 公園管理では、子どもにも読めるようにフリガナ付きの看板を設置して注意を促し、公園を閉鎖せず利用を認めました。

 まだまだ十分とは言い難いですが、ステイホームや3密ばかり強調する国や東京都などと比べると努力する姿勢は感じられます。

知恵と連帯で乗り越えよう

 感染防止の対策や、起きた場合の対応をしっかり準備すれば、新型コロナのもとでも社会活動は十分に可能です。 不安に怯えるあまり、不寛容や攻撃的になるのでは無く、いま起きていることを知り、知恵と連帯で乗りこえていきましょう

 市議会議員

    かきた 有一